名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「それを決めるのは、私じゃないのよ、きっと」
「え?」
「私の前にいる、私が生きている意味が、そのことを決めてくれると思うの、きっとね」


タイトル:しずるさんと無言の姫君たち―The Silent Princess In The Unprincipled Tales(小説:富士見ミステリー文庫)
作者  :かどのこうへい:上遠野浩平
絵師  :くらもとかや:椋本夏夜
デザイン:?
編集  :?
キャラ :しずるさん&よーちゃん (200 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

ああ、やっぱりこの二人のやりとりはいいなあ……。安楽椅子ならぬベッドの上の名探偵しずるさんと助手?役のよーちゃんによるミステリ。病院での二人の会話がすべての基本なのですが、ミステリに関係ない部分も含めて実に魅力的。この辺は上遠野浩平、さすがの貫禄といったところ。

さてと、それでは台詞解説です。
この台詞の前の部分に、しずるさんの容態についての話があり、あんまり思わしくないから転院の可能性もほのめかされているのですが、しずるさんはそれを否定。しずるさんと離れたくはないけど、直らないのはもっと嫌……というよーちゃんへの回答?が上のもの。だらだら書きましたが、経緯よりも後半部分の『私が生きている意味』とよーちゃんを表現している部分に注目でしょう。ここまで言わせるよーちゃんはやはりすごいのです。まさに人徳。