名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

意を決すると、あたしは布団をはねのけた。
「あっ……」
一瞬にしてあたしは固まった。
ぬくぬくさん、さようなら……。
「さぶい……」
寒いのよー。
あわてて掛け布団ごと毛布をマントのようにひっ被る。
ぬくぬくよ。生き返れー。生き返れー。生き返れー。
呪文のように繰り返すと、ほんのちょっぴりだけぬくぬくが戻ってきた。


タイトル:お隣の魔法使い 不思議は二人の使い魔(小説:GA文庫)
作者  :しのさきさみ:篠崎砂美
絵師  :尾谷おさむ
デザイン:?
編集  :?
キャラ :メアリー (229 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

派手な事件とかでっかいアクションなど一切無し、少女メアリーと、お隣の謎の青年ツクツクさんが織りなすちょっとだけ不思議なファンタジーです。細かい表現にまで気が配られていて、一文一文をじっくり味わいたくなる良作。GA文庫の中で一冊だけおすすめを選びなさいと言われたら、ためらうことなくこのシリーズを推しますね。(2冊だけど、まあ細かいことは気にしない)

それでは台詞解説。
朝からどうも雪かきをしているらしいお隣さんの音だけが聞こえてきて、なにをやっているのか気にはなるけどでも布団からは出たくない。出たくないけどなにやってるかは知りたい! そういう葛藤の末に布団から出てみたところ……。みなさんにも一度はこういう経験あるのでは?