名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「でも今の僕は、僕がなりたかった僕なのかな、とか思うんだ。もっとちゃんとしたかった。当たり前のことを、当たり前に感じることができたりするようなひとに、何もしなくても、なれるものだと思ってた」
「ミツオはなれる、でありますよ。
当たり前のことを当たり前にできるひとなど、多くはいないであります。誰しも何か犠牲にしたりすっとばしたりして、歪みながら体裁を繕っているのであります。なりたいものになれるのは、なりたいと気づいたひとだけでありますよ」


タイトル:樹海人魚(小説:ガガガ文庫)
作者  :なかむらくろう:中村九郎
絵師  :羽戸らみ
デザイン:?
編集  :?
キャラ :森実ミツオ&真名川霙 (167 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

いつもほんとに独創性の高い物語を送り出す中村九郎。
数作を経て、この「樹海人魚」で物語としてのしっかりした枠組が整いました。
以前から中村九郎作品に興味はあったけど、なかなか手を出せなくて……という方、これが今一番初心者向きかつ完成度が高い作品ですので、一度お試しを。
伝奇もの。細かいストーリーはおそらく知ったところで無意味なので、まずは読むのが一番。

それでは台詞解説です。
まあ要はヘタレな主人公を気遣う”歌い手”たる人魚、ということで。何言ってんだかさっぱりかもしれませんが、私は最後の一文さえ紹介できれば満足ですええ。