08/12/13 - の記事
2008年ライトノベル十大ニュース
投稿者: tonbo 投稿日時: 土曜, 2008/12/13 - 09:49今年も残すところあとわずか。
というわけで……今年もやります、ライトノベル十大ニュース。
今年は「これだ!」と言える突出したものは少なかったので選出にはかなり苦労しました。(参考:2007年ライトノベル10大ニュース)
※ 基本的に書影から当サイト内の紹介文にリンクしてますので参考にどうぞ。
1.電撃アニメ化ラッシュ
今年の電撃文庫を象徴するキーワードは『アニメ化』、これしかないでしょう。「灼眼のシャナ」の後継として最も力を入れたと思われる「とある魔術の禁書目録」を筆頭として、乃木坂春香の秘密、とらドラ!、アリソンとリリア、狼と香辛料、我が家のお稲荷様、シゴフミと、まさに怒濤の勢いで次々とアニメ化。ここに図書館戦争も含むととんでもないことに。個人的な印象ではそろそろ弾切れが心配されるところではありますが……既にアスラクラインのアニメ化も決定しており、来年も電撃のアニメ化には注目していきたいところ。
参考:TVアニメになった電撃文庫作品たち
2.『紅』の新刊が、悲惨な完成度で非難の嵐
今年、アニメも放映されたスーパーダッシュ文庫の紅ですが、アニメ放映に連動させようとしたのか、明らかな未完成レベルで無理に発刊し、読者のひんしゅくを買いました。醜悪祭というエピソードで分量的に1冊のものを、上下二分冊したぐらいならまだ苦笑いで済んだのに、醜悪祭の下巻はクライマックスの戦闘部分は具体的描写をすっとばし、さらにエピローグ部分をファンブックに分冊、そのファンブックの内容もあらすじとしか言いようのない涙を誘う完成度。正直に言うと今さら手遅れの感がなくもないですが、営業サイドには猛省を促したいです。
3.富士見ミステリー文庫、店じまい準備
最初はミステリ風味の物語、途中からはあの有名な『合い言葉はLOVE』というラブ寄せを行い、結果として一風変わった物語の集まるレーベルになっていた富士見ミステリー文庫。最近では刊行数が激減していましたが、今年になって複数の人気作品を富士見ファンタジア文庫に移行させ、それ以外の作品は次々終了、さらにはファンクラブも解散となれば、もう意図は明らか。
残す継続中の作品は、ROOM No.1301とSHI-NOのただ二つのみ。歴史に幕を閉じる日はすぐそこまで来ているようです。
4.ラノベ新レーベルラッシュはまだ続く?
ここ数年、ライトノベルの新レーベル創刊が相次ぎましたが、今年も一迅社文庫、一迅社文庫アイリス、VA文庫の創刊、そしてメガミ文庫のリニューアルがありました。中でも一迅社文庫は、漫画方面で培った人脈を生かしてか、目を引く作家の作品もあり、今後の動向にも注意したいところ。
ただ、ラノベ業界は出版点数としては既に飽和状態。角川系列のレーベル再編の可能性も含め、来年は中小レーベルにとっての正念場になるのでは?
参考:一迅社文庫公式サイト/VA文庫公式サイト/メガミ文庫公式サイト
5.ソリッドファイター完全版発売
古橋秀之の2作目として1997年に電撃文庫から1巻が発売されながら、内容が濃すぎたため売れず1巻で打ち切られていたソリッドファイターの完全版がここに来て、電撃の通販限定という形ではあるが発売され無事完結しました。一般の書店には並ばず通販やイベント時の物販限定という制限はありますが、諸事情により続きが出なくなってしまった作品の出版形態として、今後同様の方式が用いられる可能性があり、そういう意味で注目しておくべき事例ではないかと思われます。
ちなみに私自身はすっかり忘れていて、うだうだやってるうちに手に入れ損ねてしまった……orz
6.「性別:秀吉」旋風吹き荒れる。
バカとテストと召喚獣に登場し、別に本人は普段女装しているわけでもないのに、周りからは性別:秀吉として風呂やトイレを別扱いされる少年・木下秀吉。なんと「このライトノベルがすごい!2008」では、堂々の男性部門1位……だけでなく、女性部門でも10位にランクインするという、前代未聞の両部門入賞!
なお、バカテス人気は着実に上昇しており、2009年にアニメ化されるのはほぼ確実。未読の方は最低でもこのキャラのことは覚えておくように!
参考:
(ドラマCD、3.5巻ともに秀吉万歳な展開です)
7.ハルヒ、なんと二次創作がアニメ化決定
涼宮ハルヒの最後の新刊が出てからはや1年9ヶ月。圧倒的な人気があるだけに関係者にとっては頭の痛い問題だと思いますが、なんとそういう問題を斜め上に突破していくメディアミックスが発表されました。涼宮ハルヒちゃんの憂鬱&ちゅるやさんのアニメ化です。ハルヒちゃんでも充分驚きですが、ちゅるやさんに至っては完全に同人フィールドの作品で、この展開を予想できた人はいったいどれくらいいたのやら……。
参考:少年エース・コンプエース「ハルヒちゃんアニメ化」「ちゅるやさんアニメ化!」/うつかうららか(ちゅるやさん作者えれっとさんのサイト)
8.川上稔3年ぶりの新シリーズ
終わりのクロニクル最終巻の、凶器のような分厚さは記憶に新しいところですが、満を持して新シリーズ「境界線上のホライゾン GENESISシリーズ 」がスタート。相も変わらず、1巻からいきなり上下巻構成でしかも上巻500ページオーバー&下巻は約800ページとか、もはや気が狂ってるとしか思えません(褒めてます念のため)。応援してます!!
9.とうとう、ラノベも内輪ネタの時代に突入?
奇しくもほぼ同時期に、GA文庫からは杉井光の「ばけらの!」、MF文庫Jからは平坂読の「ラノベ部」という二つのラノベ内輪ネタ小説が出版されました。
よく、内輪ネタをはじめるとその業界は以下略とは言いますが、さてはて?
ちなみに「ばけらの!」は、内輪ネタなど知らなければ単に個性的なラノベ作家がたくさん集まって修羅場な日常を繰り広げるラブコメとしておもしろく読めるあたりが絶妙かと。
10.俺妹、ニュースサイトから大ブレイク
小説内にニュースサイトネタがあったことから、各地のニュースサイトで取り上げられたことがきっかけでブレイクした「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」。兄妹仲が冷え切っているとか、オヤジに威厳があるとか、妹はイマドキ女子中学生だとか、あくまでオタク礼賛はしないとか、今までありそうでなかった描写を凝縮させているのが特徴です。あと、表紙のキャッチーさがすごい! これは手に取るよね……。で、この一件で(アクセス数が一桁or二桁違ううえに、普段買わない層への影響力が大きいので当然といえば当然ですが)ニュースサイトの破壊力が改めて浮き彫りに。
参考:俺の妹がこんなに可愛いわけがない(2) 発売記念インタビュー -前編-
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