このライトノベルがひどい! 輝けるベスト10は!?


 TOP ベスト10 消費者の叫び コラム BBS メール 



さて、この企画のメインコンテンツであるベスト10をお届けしていきたいと思います。
この選出には大変な困難を伴いました。死傷者も多数出ており、当初の予定よりも大幅に発表が遅れてしまったことをお詫びいたします。しかし彼らの尊い犠牲により、なんとかベスト10を選出することが出来ました。

まずは最初に順位を発表の上、詳しい内容をお伝えしていきましょう。栄光最凶の一位は――
ワードサモナー葉子に決定しました!!

今年度最悪の地雷「ワードサモナー葉子」。絵柄と帯は大変によろしいです。


以下、10位までの結果を発表し、各作品を紹介します。

 ●2003年度「このライトノベルがひどい!」ベスト10
1位 ワード・サモナー葉子
2位 イリヤの空、厨房の夏 
3位 銀盤 すごい カレイドスコープ
4位 E.偽.FINAL
5位 マルドゥック・スクールランブル
6位 涼宮ハルカヒの躁鬱
7位 読殺天使ヨミコちゃん
8位 終わりの風呂に来る。
9位 バンカー! ノー!
10位 スクラップDA!プリンセス

1位 ワードサモナー葉子

内容紹介:
広辞苑を武器に、しかも活字による概念を力に変換する「記述武装」を操る微笑む凶器・木乃葉子。最強司書の戦いは今日も続く。


寸評:
とりあえず本編は最近フリー化してここで公開されている。
絶望に打ちのめされたければ見るべし。あー地雷な理由?
とにかく主人公がダメダメ! なんだよ木乃葉子って。広辞苑が武器!? ふざけんな! 女の癖にその気になれば対戦車ライフルも片手で振り回す? ありえねえ! 語尾にいちいち☆ってキモ! いっつも笑顔ってのもうさんくさい! ちょっと容姿が並よりいいからってつけあがりやがって、永遠の20歳? けっババアめが。中身は何歳だかわかったもんじゃ
?「ごきげんよう。寸評に私怨をはさむのはよくないですよ☆」
なんだようっせーな、押し売りなら間に合ってんだよ!
?「語尾がキモくて申し訳ありませんでしたね☆」

ttp://www.neozeon.net/sound/SE02.wav ←イメージ音ですが諸事情により直リンクできません。

……………………あ、あれ。あなたはどこかでおみかけしたようなきがそのぽにいてえるはまさかまさか
?「ごきげんよう、覚めない夢をご覧くださいな☆」

ttp://www.neozeon.net/sound/SE11.wav ←イメージ音ですが以下略
ttp://www.neozeon.net/sound/SE15.wav ←イメ以下略

?「というわけでみなさま、この1位というのはすべて北の陰謀なのです☆ 2位以下をご覧になってくださいね☆ それではごきげんよう☆」


2位 イリヤの空、厨房の夏

台詞:
「問おう、貴方が此処のマスター(店主)か」

内容紹介:
文字通り箱入りのお嬢様だったイリヤは学校の夏休みを利用して、飲食店でバイトをしようと試みる。周囲の反対を押し切って喫茶店の裏方としてバイトをはじめたイリヤの一夏の体験を描く。

寸評:
最初の導入部分で期待してしまったのは事実だ。実に魅力的な出だしのSFに思えた。しかし非常に残念なことに、イリヤが厨房に入った後からの展開がひどすぎる。いきなり店主死亡。で警察が入ったかと思うと犯人探し、そうこうしてる間に夜な夜なあらわれる店主の幽霊。幽霊を退治しに来たゴーストバスターズ。探偵は勝手に来るし、核は落ちるし、時間は巻き戻るし、ねこはしゃべるし、唐突にギャグ入ったかと思うと欝展開。一度耐えかねてとうとう壁に本を投げつけた。
気を取り直して再読したが、最後にはいつの間にかイリヤのメイドであるセイバーが主役に代わっていた。まともな神経で最後まで読むのは無理。死ねる。


3位 銀盤 すごい カレイドスコープ

内容紹介:
桜野タズサ、氷上の悪夢。彼女が滑った後にはペンペン草も生えないというなんともよくわからない表現をされる、強烈な個性を持ったフィギュアスケーターである。そんな彼女が、いまひとつ出し切れなかった才能をとあるきっかけによって開花させ、花開くまでを描いたフィギュアスケートのスポ根ものという特異なお話。

寸評:
んー……題材は大変に独創的。フィギュアスケートに限らずスポーツのスピード感を表現するのは難しいのだが、この小説ではそれが出来ている。基本的には。
基本的には、とあえて但し書きをつけてのには理由がある。この作品は間違いなくかなりの地雷だ。さきほど褒めていたのになぜそうなるのか?

なんのこだわりがあって「すごい」ばかりやたらと連発する!?

もはや理解不能である。一例を挙げてみよう。

……改めてすごい。
すごい信じられない光景――
何処を見渡しても、すごい観客が皆、立ち上がっている。すごい拍手したり、すごい絶叫したり、両の拳をすごい突き上げたり。
満場のすごいスタンディングオベーションに包まれ……、私は両の腰に手をあてがいながら、すごい茫然とたたずんでいた。

全編にわたってこんな調子である。
とてもじゃないけれど、読めたもんじゃない。作者よ、「すごい」から離れろ!


4位 E.偽.FINAL

内容紹介:
周囲から待望されているが一向に出る気配のない「E.G.コンバット」シリーズ完結編。最近(ごく一部の作家で)流行している、終わるめどが立たないなら他の作家の手で終わらそう!という発想の元、とうとう完結編が発売に。
この作品のために、森岡浩之&火浦功という恐るべき執筆スピードを誇る両氏による夢の合作が実現。どうする、どうなるルノア&教え子達!?

寸評:
…………嫌がらせか、これ? 表紙だけ立派で中身は白紙!?
束見本じゃねえかっっっっ!!!!!!
だいたいどういう執筆者の選び方だよ!? やる前からダメだってわかりきってる人選するなよ、考えろよ!
はぁ……メモ帳にでもするか……

5位 マルドゥック・スクールランブル

内容紹介:
恋多きお年頃の女子高生ティーン・パロット。
彼女の勘違いで発生する"パロット時空"によりあらゆる事象がアイの法則にすりかえられ、ただの一目ぼれがいつのまにか愛憎渦巻くドロドロの四角五画六角関係となり、校内はいつも殺気だっている。
そのことを楽しむもとい憂慮したマッディな生物学教師ドクター・ウェスターの手により作られちゃった特殊巨大ネズミ・ブフコックは彼女を止めようとするが、逆にパロットによってアイデンティティを攻められて堕とされてしまう。
「ピ●チュウっていうなぁ〜!」
今日も勘違いで恋した通りすがりの体育教師ポイルドの貞操を奪うべく、もはや下僕と化した黄色いネズミを引き連れてパロットは体育教師控え室に殴り込みをかける!

寸評:
まず第一にこの作者は文体がなっていない。同じ文節内でも視点がころころ変わってわかりずらいし、脈絡もなくSF的な設定が出てきて話が飛んだりする。その上説明と役割がいまいちシンクロしていない。うさんくさい女子高生言葉を話すパロット。マッディといいつつも行動や言動はいたって普通なドクター。なにが特殊なのか、さっぱりわからない黄色いネズミ。体育教師というわりにはなにも教えないポイルド。
人物の厚みというか、人格を持った人であるという書き方が出来ていない。まるで一人で妄想した脳内彼女のように作者の都合にあわせて性格や容姿が変わったりする。ポイルドなんて、最初は渋い中年おやぢだったのに、途中からただの情けないマザコン兄ちゃんに代わっていたりする。この作者は自分で作った設定というものを無視しているのだろうか? とても鑑賞に堪えない、プロとは思えない作品。 ちなみに主人公が誰なのかさっぱりわからない。内容的にはどうもパロットのようなのだが…


6位 涼宮ハルカヒの躁鬱

内容紹介:
憧れの彼に告白し、okをもらい薔薇色の毎日を送るハルカヒ。しかしその幸せは長くは続かなかった。
やがて親友に彼を寝取られたハルカヒは絶望に打ちのめされ、徐々に壊れていく。

寸評:
これ、内容的にはむしろ傑作。
ハルカヒの日記形式で綴られたその内容は、徐々に壊れていくハルカヒの精神を克明に描写していて寒気すら覚える。つうかいくらなんでも怖すぎるよこれ……読んだ人が次々に精神崩壊起こしてるってのも異常じゃないか?……待てよ、まさかとは思うけどこの本の記述って時々おかしいことがあるよな。感染、とか? いや気のせいだとは思うけど。

?「よし、M○R緊急出動だ!」
は?
?「この小説には人類に対する恐るべき計画が記されているかもしれん!!」
あのもしもし唐突に現れた貴方はどちらさまで?
?「……そうか、わかったぞ」
もしもーし。おーい。
?「この小説の詩には、人類滅亡に関わる計画が隠されていたんだよ!」

な、なんだってーっ!?

?「しかし、おれたち(人類)は……何もかも遅すぎたんだ…………」

どうやらもはや手遅れらしい。願わくばこの小説が無事に回収されて世に出回らないことを祈るばかりである。みなさんさようならさようなら。


7位 読殺天使ヨミコちゃん

内容紹介:
ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪
謎の擬音と共に、草壁凛くん(中学二年)の家に突然やってきた一人の天使。その娘の名前は、読殺天使ヨミコちゃん!? いつのまにか桜くんちに居候しはじめたヨミコちゃんは、凛くんを(いろんな意味で)誘惑しはじめて……!!(気のせいかどこかで見たような紹介文だが気にしてはいけない

寸評:
長すぎるっ!!!!
ヨミコちゃんの必殺技は、ひたすら無理やりに物語を読み聞かせ、相手に一睡も与えず発狂死させるという能力。この能力を描写するために作中作が出てくるが、それがいずれも長いの一言に尽きる。ジャンル的にはなんでもありで、純文学からショートショートまでなんでも出てくるが、正直全部読むに耐えない。しかもそうやって発狂死させた後であっさりよみがえるので話が進まない!
いつになったら終わるんだこれ!? ちなみに現在136巻まで刊行中。何処の誰が買い支えているのかすらわからない特大の地雷である。


8位 終わりの風呂に来る。

内容紹介:
最近あちこちに開店する大型スーパー銭湯のあおりを食って、昔ながらの銭湯は次々に姿を消していく。そしてまた一軒、町の片隅にある銭湯が最後の日を迎えようとしていた。そんな銭湯の最後の一日に起こったバカ騒ぎの顛末は?

寸評:
この作品の評価は一言に尽きる。
エロすぎ。
エロ大魔神・佐山によってストーリーなどあったものではなく、ひたすらライトノベルギリギリの描写が小説前半いっぱい続く。しかし中盤を過ぎて、とうとう作者の方の我慢が切れたのか素人にはおすすめできないマニアックすぎる描写の数々が! その描写の数々はなんというかこう○△●×※!!!
いろいろ言いたいことはあるが「ライトノベルとしてはいかがなものか」ということで、地雷扱いとした。


9位 バンカー! ノー!

内容紹介:
視点切り替えを多用しながら、とあるゴルフ大会でバンカーに翻弄される人々の心理を鋭く描いたスポーツもの?

寸評:
一部にはっと目の覚めるような描写がある。バンカーに打ち込んで苦悩する人間を細かく描写した直後に、今度は対戦者の視点に切り替えるなどなかなか憎い演出が在る。
ただこの作品の致命的な問題として、バンカーになんていくらど素人の集団といえどもそうそうははまるものではないのだ。そこをあえてバンカーにこだわる姿勢には感心する部分もあるが……みごとに失敗している。
いくらなんでも1冊丸ごとバンカーにこだわられてはかなわない。今度はもっと違う形で視点変更を生かしてもらいたい。今回については疑うことない地雷作品と言えよう。


10位 スクラップDA!プリンセス

内容紹介:
ひたすら新聞をスクラップし続ける「貼付王女」。彼女の背負った数奇な運命を描いたファンタジーアクション。

寸評:
王国の状況――例えば魔物と戦闘になった翌日の街のありさまを新聞のスクラップを通して知ることが出来たりと試みはなかなか評価できる。ライトノベルの実験的企画としても興味深いのだが……なんでスクラップブックを作っているだけで歴史から抹消されねばならんのかさっぱり不明(^^; そのうち一の姫、二の姫とかが現れたあたりからさらに雲行きが怪しくなってきて、「停止王女」とか「中止王女」、「待機王女」に「ナイキ王女」……もうなにがなんだか。