11 : スニーカー文庫からの流れ

 少女文庫を追ってきたので、時計の針を戻して、少年文庫について見てみましょう。
 手元の資料では、1976年に、角川文庫ジュブナイルシリーズが始まった、となっているのですが、ソノラマ文庫の石井進さんの証言のように、その前からジュニア小説の収録があった、というお話もあります。いずれにせよ、角川書店の社長が角川春樹氏になる、1975年前後のことだと思います。
 ジュブナイルシリーズは、「時をかける少女」のような日本の作品の他に、レスター・デル・レイやハインラインの海外SFも収録していましたが、いつの間にか、「ジュブナイルシリーズ」の冠が取れて、普通の文庫として、富野由悠季さんの「リーンの翼」や、藤川桂介さんの「宇宙皇子」のようなヒットシリーズが生まれました。
 実を言うと、少年ものの文庫については、私はよく知らないのです。少女文庫だけでも、今までに見てきたのでお分かりになるように、膨大な量がありますので、蒐集が追いつかないのです。
 しかし、はっきりとはしないのですが、1985年頃に、少年少女向けの作品は、「角川文庫・青版」として、装幀もジュニア向けに作られます。それから間もなくして、青版は、公募で選ばれた、スニーカー文庫という名前になります。
 青版は、ベージュの背表紙に青い帯が入っていますが、だから青版なのかは分かりません。角川文庫は、分野によって、緑、赤などの色を名前につけており、その一つということでしょう。
 ただ、例えば新津きよみさんの作品を追ってみると、青版のときには青い帯、スニーカー文庫になってからはピンクの帯が、頭のところについています。
 こうして生まれたスニーカー文庫ですが、成立事情は私にもよく分かりません。ジュニア・バブル前夜なので、流れに乗って、ということではないようです。
 一つ考えられるのは、1985年の3月に、雑誌「ニュータイプ」が創刊されていることです。「ニュータイプ」は雑誌編集グループ、スニーカー文庫はスニーカー文庫編集部で、部署も違いますし、それぞれの所在地も違うはずなのですが、ここで若者向けに力を入れておきたい、という角川春樹社長の意向があったことは、充分に考えられます。
 実際に、手元にあるスニーカー文庫、1989年6月現在の作家リストを見てみると、作家番号001が富野由悠季さん、002が「聖戦士ダンバイン」などを書いた脚本家の渡邊由自さん、以下、「マクロス」の富田祐弘さん、アニメ脚本家ではありませんがアニメージュ文庫から出た西谷史さん、005になって、初めて「ルナ・ヴァルガー」の秋津透さんの名前が出てきます。富野さんの第一作が何だったのか、残念ながら資料がありませんが、「ガンダム」シリーズを多くお書きになったのは確かです。やがてあかほりさとるさんも参戦、この分野は盛んになっていきます。
 一方で、少女小説も、301から始まる番号で出てきます。唯川恵さん、王領寺静(=藤本ひとみ)さん、久美沙織さん、小室みつ子さん、島村洋子さん、新津きよみさん……いずれも興味深い顔ぶれです。中で、新津きよみさんの「誘われてアクトレス」は、演劇部の合宿を舞台にした純然たるホラーで、新津さんの作品の中でも、いや、日本のホラー小説の中でも秀作です。
 600番台は、ゲームのノヴェライズです。山本弘さんの「ラプラスの魔」、飛火野耀さんの「イース」など傑作が生まれ、その中から、飛火野さんのオリジナル小説「もうひとつの夏へ……」という秀作が出てきます。異次元SFの、透明感あふれる作品です。
 そしてこの600番台の作家からは、水野良さんが生まれて、「ロードス島戦記」で一時代を形成するのです。
 なお、700番台というのもあって、これは主にアニメのノヴェライズだったようです。會川昇さんの「戦え! イクサー1」(上下)や「ガンヘッド」(実写ですが)などが印象に残っています。
 ちなみに、こういう風に、あるいは、かつてのティーンズハートやソノラマ文庫のように作家番号を付けておいていただけると、蒐集家としては、集めやすいのです。現在のように、「は−1−1」などという区分だと、どれだけ集めればいいのか分かりません。
 まあ、ジュニア文庫の蒐集家なんて、そんなにいるもんじゃありませんけどね。
 その後のスニーカー文庫の活躍については、皆さんのほうが、よくご存じなのではないでしょうか。私は一点だけ、「戦−少女イクセリオン」(上下)というノヴェライズをスニーカー文庫に書いていますが、その頃にはもう、スニーカー文庫の全貌はつかめなくなっていました。
 大和真也さんの佳作や、結城恭介さんの活躍、近年では、中国を舞台にしたとぼけたファンタジイで知られる真樹操さんが書くなど、点々と記憶に残る部分はあるのですが、語れるほどには読み込んでいないのが現状です。

 さて、1988年には、富士見ファンタジア文庫が創刊されます。この頃には、富士見書房で、現在も対外的にはそうなっていますが、今は角川文庫富士見事業部が正式な名前です。
 あまり触れていいのかどうか分かりませんが、事実なので書いてしまうと、富士見書房は、角川書店が系列会社として、おそらくですが、海外ポルノを出すために作られた会社です。角川書店からは出しづらかったのでしょう。その富士見ロマン文庫には、著名な作家が書いた作品もあり、コレクターの蒐集対象となっています。
 やがて、時代小説も出し、笹沢佐保さんの「木枯し紋次郎」などは、私は富士見時代文庫で集めているのですが、1986年、富士見書房からは、単に富士見文庫、という名前で、セピアがかったピンクの背のシリーズが出ています。メインは、当時、非常に人気のあった18禁のアダルト・アニメシリーズ「くりいむレモン」のノヴェライズでした。やはり、角川本体で出すことには抵抗があったのかもしれません。
 このシリーズは、やがて「バブルガム・クライシス」のような一般のアニメのノヴェライズや、「ロリコン」という言葉の発案者と言われる川本耕次さんの、一般青春小説などを出していましたが、1989年ごろまでは、存在が確認できます。
 そして、それとは別に、1988年に富士見ファンタジア文庫が創刊されます。これは明らかに、当時はRPGを中心にしていた雑誌「ドラゴンマガジン」の受け口となっています。
 最初は、小川範子をイメージキャラクターにした笹本佑一さんのSF「RIO」や、パステルシリーズで触れた藤井青銅さんの超能力者など、バラエティに富んだラインナップでしたが、おそらくは、竹河聖さんの「風の大陸」と、ひかわ玲子さんの「バセット英雄伝エルヴァース」の成功により、一時期の富士見ファンタジア文庫は、異世界ファンタジイものに、大きく傾いていきます。その中から、神坂一さん、秋田禎信さん、小林めぐみさん、五代ゆうさん(順番がごちゃごちゃですが、何しろ急いでおりますのでお許しを)などが生まれたことは、もう皆さん、ご存じですね。そして、その異世界ファンタジイ寄りの中からも、吉岡平さんの「無責任艦長タイラー」や、野尻抱介さんの諸傑作が生まれたことも、言うまでもないと思います。
 大事なことは、富士見ファンタジア文庫は、初めて、最初から少年向けを対象にして生まれた文庫だということです。試行錯誤はあまりなく、方向性は、すぐに決まりました。この富士見ファンタジア文庫の創刊と、今に至る成功が、ジュニア文庫を新しい方向に導いた、と私は思います。

 そう思うと、少女文庫のほうで触れてしまった、アルゴ文庫、バンダイ・キャラクターノベルズ、エニックス文庫なども、あるいはスニーカーから富士見ファンタジアへつながる流れの中で、語るべきだったかもしれませんね。
 いずれ、機会があったら修正しておきたいと思います。

 これらの文庫の成功を受けて、1990年には、倒産した大陸書房が、ファンタジイ、それも主に異世界ファンタジイに絞った、ネオファンタジー文庫を作ります。アニメのノヴェライズなどもあったのですが、メインは異世界ファンタジイでした。
 大陸書房は、神秘主義の本を出して、一時期は羽振りがよかったのですが、あるいはこの文庫が引き金になったのか、92年に倒産。いや、この辺の事情は、詳しい人に語ってもらわなければ、分かりません。売り上げ不振だった大陸書房が、ネオファンタジー文庫で勝負に出た、とも考えられるからです。
 ネオファンタジー文庫には、飯野文彦さん、伊藤麻紀さん、「マクロス」の脚本家だった大野木寛さん、ホワイトハートで活躍中の新田一実さん、ひかわ玲子さん、最近ではホラー短篇で知られる山下定さん、変わったところでは異能漫画家の山田ミネコさんなどが書いていらっしゃいましたが、多くの方は、別の出版社に進まれました。
 1991年には、早川書房が若年層向けに作った小説誌「Hi!」が母体になって、ハヤカワ文庫ハィ! ブックスが生まれています。波多野鷹さんのSF「都市に降る雪」や、松村光生さんの「悪い夏」のシリーズなど、粒揃いだったのですが、今ひとつ若年層にターゲットを絞りきれなかったようで、短命に終わっています。
 同じく1991年、集英社も男の子向けの集英社スーパーファンタジー文庫を創刊しました。作品はファンタジイが主ですが、幅広い作品が揃っており、中国ファンタジイや、例えばカブキ・ファンタジイなどというものまでがありました。このスーパーファンタジー文庫については、次の蒐集目標にしています。友野詳、瀬川貴次、早坂律子、荻野目悠樹など、捨てがたい作家がたくさんいるためですが、どうも中古市場で高いのが、悩みの種です。
 1992年、小学館がスーパークエスト文庫を創刊します。これは、複数の編集部、編プロが入って作られた文庫で、実相寺昭雄の(と言って分からない方は、調べてみて下さい)「ウルトラマン」「ウルトラセブン」、富田祐弘の「超時空要塞マクロス」などのノヴェライズ、ゲームのノヴェライズ、西谷史さんの伝奇、和智正喜さんのファンタジイ、小学館の資源を活かして、高橋留美子さんのホラーや「GS美神」のノヴェライズなど、バラエティに富み、100冊以上のシリーズになりますが、なんとなく消滅してしまったような感があります。これも少年向けのシリーズです。
 1993年には、アスキー、発行アスペクトがログアウト冒険文庫を発行します。やはり、少年向けと思われる、SFとファンタジイを中心にした文庫で、森奈津子さん、火浦功さん、スペースオペラの森矢邦夫さんなど、面白い人が書いていらっしゃいましたが、なんだかぱっとしないまま、やはりいつの間にか終了してしまいました。
 そして1993年。角川のお家騒動が発端になり、袂を分かった人たちが作ったメディアワークスが、電撃文庫を創刊しますが、これも私には多くを語ることはできません。むしろ、皆さんのほうがよくご存じでしょう。
 ただ、私は電撃ゲーム小説大賞の一次選考を、しばらくやっていたのですが、かなり初期から、電撃は、「ゲームのような小説には飽和状態が来ている」と明言していました。実際、ゲームを意識して応募された作品の中には、それは名前だけ変えているけれどファイナル・ファンタジーそのままだろう、とか、レイアースの引き写しでなくて何なんだ(ほんとうに、そのまんま、見たまんまレイアース以外の何物でもないんです)というような作品が、95%以上は入っており、読むのは大変でした。
 その結果として、「ブギーポップ」シリーズが生まれたり、現在の多様な電撃のあり方と成功があると思っています。

 本当ならば、この後のファミ通文庫(ログアウト冒険文庫の営業的失敗が元になって生まれたのではないかと思います)、あるいはサークル文庫や竹書房ガンマ文庫なども拾っていくべきなのでしょうが、私の個人的年表は、1993年で終わっています。
 1993年と言えば、事情があって作家活動をほとんど停止していた私が、小説に復帰した年で、書くことにがむしゃらになり、また当時は専門学校の講師をしていたので、大忙しになって、それ以降のジュニア文庫には目を配る暇がなかったものと思われます。
 ちなみに専門学校の講師といっても、小説の、ではありません。私はビジネススクールで、ビジネス文書の書き方やプレゼンテーション技法を教えていました。
 正直なところ、これ以降のジュニア文庫には、あまり興味がありません。それまでのジュニア文庫を集めるのに集中していて、新しい流れにさほど気を取られていないことや、バブルが終わってもジュニア文庫の点数は多くて、集めきれないことなどがあるのですが、いったんは姿を消した私が、ようやく本腰を入れてジュニア文庫を書き始めたことが大きいでしょうね。
 今も私はジュニア文庫の流れの中にいて、どうやって、自分の居場所を確保するかで精いっぱいです。その時代の作品は、蒐集の対象にはならないのです。客観的に読めないということですね。
 それに、初期スニーカーはともかく、この時代の作品については、若い皆さんのほうがよくご存じだろう、とくり返しになりますが、思います。そして、この時代の作品のよさも、皆さんのほうが、より敏感に察知できるのではないでしょうか。
 ということで、主に、知られざる文庫を中心に、ざっとジュニア文庫の流れを見てきました。後は、久美さんからいただいた宿題を、簡単におさらいして、この辺で老兵は口を閉じようと思います。


原稿受取日 2004.5.22
公開日 2004.6.23
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番外編
皆川ゆかさんからのメール
『このライトノベルがすごい!』へ








角川春樹
元・角川書店社長。麻薬事件逮捕で解任。映画監督としても辣腕をふるう。

富野由悠季
アニメーション監督。機動戦士ガンダム、聖戦士ダンバインなど傑作多数。












新津きよみ
第9回の註を参照。













渡邊由自
作家、脚本家。「重戦機エルガイム」などアニメ脚本のほかソノラマや富士見でもジュニア小説を書く。
富田祐弘
脚本家。「聖戦士ダンバイン」「神風怪盗ジャンヌ」などシナリオ担当作多数。
西谷史
ゲーム「女神転生」の原作者。ほか代表作に「デジタルデビルストーリー」など。
公式:西谷JUNCTION
秋津透
「魔獣戦士ルナ・ヴァルガー」でデビュー。他に「狼面司祭」など多数。同人誌も出す。
公式:秋津洲企画
唯川恵
少女小説からホラー、ミステリーと幅広く執筆。「肩ごしの恋人」で直木賞受賞。
久美沙織
コラム「創世記」を参照。
小室みつ子
作詞家・小説家。「TM NETWORK」「鈴木あみ」など数多くの作詞を担当する。
公式:miccos.com
「誘われてアクトレス」
新津きよみ作。角川スニーカー文庫(1989)
山本弘
SF作家、と学会会長。『神は沈黙せず』『こんなにヘンだぞ!「空想科学読本」』など話題に事欠かない。
公式:山本弘のSF秘密基地
飛火野耀
小説家。「イース」「もうひとつの夏へ」(スニーカー文庫)などがある。
水野良
作家・ゲームデザイナー。『ロードス島戦記』や『魔法戦士リウイ』などが代表作。
公式:CASTLE MIZUNO
會川昇
脚本家。アニメ「機動戦艦ナデシコ」「鋼の錬金術師」のシナリオを担当。
「戦−少女イクセリオン」
早見裕司作。角川スニーカー文庫(1994)
大和真也
SF作家。奇想天外新人賞に「カッチン」が佳作入選。代表作に『スターゲイザーシリーズ』など。
結城恭介
第4回の註を参照。
真樹操
中国ファンタジーを中心に手がける。「金陵城内記」(スニーカー文庫)など。
笹沢佐保
本格ミステリ、股旅物を多数書く。「木枯し紋次郎」(ドラマ化)、「人喰い」(直木賞候補)など。
「くりいむレモン」
84年に登場した美少女アニメのエポックメーキング的作品。
「バブルガム・クライシス」
近未来のメガロシティ東京を舞台に、闇の仕置人ナイトセイバーズの活躍を描いた傑作。
川本耕次
多くのポルノ小説を著す。写真家をも兼ねている。
公式:美少女アリスの小部屋
小川範子
女優。「葵 徳川三代」や「はぐれ刑事純情派」の出演。
公式:小川範子ホームページ
笹本佑一
SF作家。「ARIEL」「星のパイロット」など歴史に残る名作を生む。
ひかわ玲子
翻訳を3作ほど手がけたのちジュニア小説を手がける。「女戦士エフェラ&ジリオラ」(講談社X文庫)など。
公式:ラベンダーガーデン
神坂一
「スレイヤーズ!」でファンタジア長編小説大賞準入選、大ヒットを飛ばす。
秋田禎信
ロングヒット作「オーフェン」を生み出す。ほか「エンジェル・ハウリング」など。
公式:モツ鍋の悲願
小林めぐみ
「ねこたま」でファンタジア長編小説大賞に準入選。ファンタジー、SF作品を発表し人気を得る。
公式:KOBAYASHI MEGUMI HOMEPAGE
五代ゆう
「はじまりの骨の物語」で富士見ファンタジア長編小説大賞受賞。SFのほかホラー系にも顔を出している。
公式:五代ゆうHP
吉岡平
第9回の註を参照。
野尻抱介
「太陽の簒奪者」で星雲賞、SFマガジン読者賞受賞。'01年「ふわふわの泉」で星雲賞受賞。 公式:野尻抱介リファレンス・マニュアル


飯野文彦
84年「新作 ゴジラ」でデビュー。ノベライズを多く手がける。他に「夏のかくれんぼ」など。
大野木寛
脚本家。「超時空要塞マクロス」でデビュー。「Zガンダム」のシナリオも担当。
新田一実
里見氏と後藤氏の共同執筆ユニット。「ペット心理療法士」など。
山下定
SF作家。「シミュレーション・ラブ」でデビュー。「おにごっこ」など。
公式:HIDAL
山田ミネコ
漫画家、小説家。「最終戦争シリーズ」「ふふふの闇」(MF文庫)など。
波多野鷹
「青いリボンの飛翔」でコバルト・ノベル大賞受賞。少女小説を多く書く。奥様は久美沙織氏。
松村光生
SF作家。破滅SF「アーマゲドン2000」は傑作。ほか「グッドバイ・ロリポップ」など。
友野詳
グループSNE所属。「クロス・ザ・スレイヤー」など。
瀬川貴次
スーパーファンタジー文庫で中心に活躍。「暗夜鬼譚」「聖霊狩り」シリーズなど。
早坂律子
第9回の註を参照。
荻野目悠樹
SF作家。96年「シインの毒」で集英社ロマン大賞。代表作に「野望円舞曲」など多数。
公式:「荻野目悠樹」横浜西口店
実相寺昭雄
円谷プロでのウルトラマンシリーズの演出で高名。映画監督であり脚本家、小説家。
和智正喜
第9回の註を参照。
高橋留美子
時代を代表する漫画家。「うる星やつら」「めぞん一刻」「らんま1/2」「犬夜叉」など。
森奈津子
第10回の註を参照。
火浦功
SF作家。「日本一小説を書かない小説家」とも。ユーモアある作品がファンを集めている。