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Aランク ……即刻デビューできるレベル・作品
ってな感じだったと思います。わたしら一次選考読み(シタヨミともいいます)が「編集部に返す」べきものはAとBのみで、たまに「すみませんがわたしには判断できないので、他のひとにも読んでもらってみてください」なものをつけたす、みたいな感じでした。 |
で。 |
で、 |
ちなみにもちろんジバラです。ふうとうびんせんゆうびん切手などなどは。そしてもちろんわたしの時間も。
するってーとですね……返事が来るんですね(いちおー編集部の住所を書いて出しているので直接ウチにはきませんが)。
自作をけなされると自我がキズつくんだなぁ。 |
と、いうような経験が何年かあったので、いつか書きたいなぁと思ってました。
小説新人賞に応募するために最低限理解しておくべきことがら、把握しておくべきルールの参考書みたいなものを。受験産業があれだけ旺盛なんですから、小説新人賞に応募してくるひとがこれだけ多いんですから、それがあったっていいだろう、と。 |
川又千秋 作家。『火星人先史』で星雲賞、『幻詩狩り』で日本SF大賞を受賞。 |
そんなこんなのある日、川又千秋先生からお電話がかかってきました。 |
『小説新人賞の獲り方おしえます』 『もう一度だけ新人賞の獲り方おしえます』 『これがトドメの新人賞の獲り方おしえます』 小説あすか 角川書店刊。現在は廃刊。 |
その時の講義を、その二名がまとめてくれたのが、あの『小説新人賞の獲り方おしえます』です。蛍光オレンジ色の一冊目ね。版元の徳間書店さまにも、すでに退社なさってしまった某女性編集担当者さまにも、たいへんたいへんお世話になりました。おかげさまで、この本の評判がよかったので、こんどは、「講義録」ならではのメチャクチャさをある程度整理したかたちの、蛍光ミドリ色の二冊目を出しました。なぜなら(ミドリの本でイイワケしていますが)、「よし、これでイケたろう。これでもうだいじょうぶなはずだ」と思った一冊目を「読んで」応募してくれたはずの、初版発行後一週間以内限定270通「必ず目を通してアドバイスして返送します」内作品が「……な、なんじゃこりゃあ!」なレベルだったからです。 |
そうそう。
もちろん、あんなものなくったって、実力がじゅーぶんあって、いずれデビューしたに違いないかたがただってたくさんたくさんあるわけだけど。
「『新人賞の獲り方おしえます』シリーズが、その後の文芸エンターテインメント業界に輩出したおおぜいの若者に多少なりとも影響を与えた」ってことは、これは、すみません、自分で言うのはエラソーですみませんが、事実だと思います。 |
次の作品がなかなかうまく書けなくてオチコンじゃう時も。
……もちろん…… |
ライトノベルの「かきかた」... 例えば大塚英志氏の「キャラクター小説の作り方」はそれにあたるのかもしれません。 →bk1 →ama →楽天 |
ライトノベルにはライトノベルの「かきかた」があるのかもしれない。
そして、もし、いつか、あなたのなかの若さや文芸的熱情や創作意欲が死んでしまったら、どうか裏庭の『結局ただの一度もどこの賞でも第一次選考を通過することができなかった星の数ほどの作品たち』のお墓に、ちっちゃなジミなそこらへんに生えている野の草でいいですから、たむけてやってください。 原稿受取日 2004.4.15
公開日 2004.5.19 |