名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「……ヒーローなんて、存在しない」
「え?」
「そう、ヒーローなんて存在しない。あたしたちは、結局企業の広告塔。垂れ幕のついたアドバルーンに過ぎなくて、そこに正義なんて、本当のヒーローなんて存在しない――あたしはずっと、そう思っていました」
「……」
「でも、ある先輩が言ってくれたんです。別にそれでいいじゃないかって。思考が暗くなっちゃうのなら、逆に考えてみればいい。ヒーローが客寄せパンダなんかじゃなく、客寄せパンダでもヒーローになれるんだって。それがいいものであるなら、それで喜んでくれるなら、建前とか本当とかじゃなく、それでだれかが笑ってくれるなら、それはきっとすてきなことだって――あたしにそれを教えてくれた、その人こそ、あたしにとって本物のヒーロー、正義の味方、なんです」


タイトル:ジャストボイルド・オ’クロック(小説:電撃文庫)
作者  :うえおひさみつ:うえお久光
絵師  :藤田香
デザイン:?
編集  :?
キャラ :エリカ・ケイティ・ゴールデン&ジュード (117 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

作品解説は画像クリックで。

さて台詞解説。
補足すると、この作品におけるヒーローというのは各企業都市が、自分たちの都市を防衛し、また防衛することで自分たちの都市が安全であるとアピールして人口を増やすために雇っている存在で、守り手であり、広告塔でもあるわけです。
でも、上の話は人々を守れるかどうかだけを考えればいいのだ、そういうことですね。