名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

タイトル:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(小説:GA文庫)
作者  :おおもりふじの:大森藤ノ
絵師  :やすだすずひと:ヤスダスズヒト
デザイン:?
編集  :?

思いきり紹介が遅れてしまい今更感もあるんですが、でもおもしろいものはおもしろい!というわけで気にせずおすすめしていくことにします。

タイトルだけ見ると、緩い感じに思えますが実際には「ダンジョン探索を通じて少年が成長していく」という王道中の王道スタイル。ただし、主人公のスキルを一ひねりして、今の移り気な読者を飽きさせない工夫をしています。黒枠おすすめ!

ダンジョンと呼ばれる広大な地下迷宮を擁する巨大都市オラリオ。一攫千金、異性からはもてもて、そんなよくある幻想を抱いてオラリオにやってきた新参冒険者の少年ベル。しかし、どのファミリアからも門前払いされたあげく、構成員が自分だけというヘスティア・ファミリアの一員となる。相変わらず弱いままだったベルだが、ダンジョン探索中に一人の少女に救われたことから、大きく成長するきっかけとなる……

パーティーを組まずに単独で探索している、ということ以外は極めてオーソドックスなダンジョン探索もの、なんですが……おもしろい味付けしてきましたねーこれ。こうすることで少年がすごい勢いで成長していくことに説得力を持たせてます。また、ヒロインであろう剣姫との間にあえて距離感を持たせてあるところ憎いですね。

憧憬、成長、挫折といったいろんな要素がきちんと入ったいい成長譚です。2巻以降が楽しみ!

(って、紹介書いてる時点でもう3巻読み終わってるから後の展開知っちゃってるわけですけどね……。ここはあくまですっとぼけますからね!)


この作品の名台詞

(――ぅ、あ)
岐路に立たされた。
眼前の敵。今の僕では太刀打ちできない怪物。絶望の象徴と被る面影。逃げ出したい。
奥にいる人。今、僕が守るしかない大切な存在。離れてしまったそのか細い手。助けなきゃ。
(怖い――)
恐怖と、義務感。臆病風と、使命感。対立する本能と感情がせめぎ合う。
(怖い――)
逆らえない衝動に、ちっぽけな責任感はいとも簡単に屈しそうになる。
(怖い、けどっ――)
それでも。
(――僕は、『男』だろう!?)
なけなしの男の意地が、後退することを許さなかった。
行けよ。
行けよっ。
行けよッ!
行かなくちゃ!?
『女の子』を置いて、逃げるなぁあああああああああああああああああああっ!!

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