名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

魔王なあの娘と村人A―幼なじみは勇者です

タイトル:魔王なあの娘と村人A―幼なじみは勇者です(小説:電撃文庫)
作者  :ゆうきりん
絵師  :あかひと:赤人
デザイン:?
編集  :?

これは設定の勝利! おすすめ。

世界には、<個性者>と呼ばれる特別な能力を持った子供達がいて、大人になるとそれぞれの個性にあわせて<勇者>や<魔法使い>として別の世界に行き、物語世界に行き、それぞれに与えられた<名>通りの力を発揮する。こちらの世界では、異能を発揮するほどではないが、やはり凡人である<村人>とは人間としての有り様が違っていて……。
読むとわかってきますが、この辺の理屈づけが「ああなるほど!」と思わせるような仕掛けになってるのがポイントです。

で、これは平凡きわまりない<村人>でしかない主人公・佐東二郎が、何の間違いか<勇者>や<魔王>のような個性者と関わる羽目になるお話。

<村人>でしかない主人公のクラスに、ある日<魔王>の個性者が転校してきた。さすがは魔王というべきか、いきなり初日の挨拶で<人類が大嫌い>宣言をする。その後、魔王である竜ヶ峰桜子と気がつけば接点をもってしまい、ことあるごとに騒動に巻き込まれることに。
魔王と、勇者の奇行に振り回される村人Aの明日はどっちだ?

うーん、おもしろいですね。
たとえ幼なじみでも、ちょっと認識から外れるとただの村人として空気扱いされてしまうという、コンピュータRPGの世界を要所でうまく取り入れてある。言うことは大きい割にやることがせせこましい魔王たる竜ヶ峰さんかわいい。


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