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深山さんちのベルテイン

タイトル:深山さんちのベルテイン(小説:GA文庫)
作者  :あいそらまんた:逢空万太
絵師  :七
デザイン:?
編集  :?

なんというほのぼのコメディ。読みやすく、おもしろい。赤枠おすすめです。いやー作者の人は変化球だけじゃなく、直球も行けるんですね!

深山家の母が長期で外国に行ってしまうため我が子のお世話をしてもらうために開発したチビサイズのメイドロボ・ベルテイン。しかし実は、女性として生きようとする息子を立派な男性に矯正する特命を帯びていたのだ!

あらすじだけ見ると、エロコメ?とか思うかもしれませんが、全然そういうところはないです。むしろ主人公の琥太郎が実は女装してるということすら時々忘れそうになります。連作短編形式のコメディなので気楽に読めるのもいいですね。

ストーリーとしては、琥太郎とチビメイドのベルさんの日常風景を描きます。ごく普通に学園生活を送って、家事をして。世界の危機とかなにそれって感じで、そういう伝奇っぽいことは皆無です。(いやまあ、メイドロボは出てるわけですが)
もちろん、琥太郎がいくらナチュラルに女装してるとはいえ、そこはやはり問題のひとつや二つ発生するわけなのですが、あくまでお気楽に描かれます。琥太郎を真男に目覚めさせて、お嫁さんの座を狙う幼なじみとか、お隣さんの犬でベルさんの移動手段になってくれる陛下とか、細かい部分が実に微笑ましいんですよね。

全体はほのぼの。とはいえ、そこはニャル子さんシリーズの作者だけに、さりげなく小ネタが随所に仕込まれていますが、作品の雰囲気を壊さないようにネタが自己主張しすぎないようちゃんと配慮されてます。やーほんと、楽しく読めました。このシリーズものんびりと続きを待ちたいですね。


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