名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ネクラ少女は黒魔法で恋をする (2)

タイトル:ネクラ少女は黒魔法で恋をする (2)(小説:MF文庫J)
作者  :くまがいまさと:熊谷雅人
絵師  :えれっと
デザイン:?
編集  :?

黒魔法はそれなりにストーリーに関わってきますが、それでもあえて言いますがアクセントのようなものです。
基本は良質な青春ストーリー。堪能させて頂きました。
ハートフル黒魔法コメディという触れ込みになってますが、コメディよりもハートフルにより重点があります。
絵は萌え系ですが、ちょっと絵を差し替えたらそのまま少女小説でも通用するんじゃないと思います。

1巻は主人公の少女・空口真帆の超内弁慶毒舌っぷりが見どころの中心でしたが、この2巻では彼女の内面がそれなりに成長をみせ、その代わり毒舌は少し控えめに(笑)
これは1巻を再読できるものならしたほうがいいかも。けっこう密接に1巻の内容が関わってきます。
ともあれこれはおすすめです。


この作品の名台詞

「いい? 誰もあんたに本音でぶつからなかったんなら、わたしがぶつかってあげる。あんたは、自分の殻にこもったわがまま男! 周りの文句ばかり言ってるダメ高校生!
自己中心的で、利己的で、自分勝手! あと、チビ!」
「言いたいこと言いやがって! じゃあ、お前はどうなんだよ! お前はオレの仲間じゃないのかよ!」
「仲間だよ。
わたしだって、神門君と同じ弱い人間だもん。
だけど、変われるんだよ」
「変わる? オレが?」
「神門君と本気で喋ってくれる人はいる。演劇部のみんなだって、神門君に本気で怒ったでしょ? 神門君を演劇部の仲間として、友達として受け入れたから、みんなあんなに真剣だったんだよ」
「オレ……」
「だから、神門君だってみんなに心を開かなきゃいけないと思う」

→解説


わたしは体育館のフロアではなく、ステージの方に用があった。
体育館の舞台を使って活動している部。それは演劇部だ。わたしが入部を希望するのはまさにその演劇部だった。
わたしは体育館の前から動けないでいた。たくさんの人間が横切るので、邪魔にならないように、廊下の隅に寄る。もう目の前に目的地があるじゃないか。数歩進めばゴールだ、。それなのに、足は動かない。
ここにきて勇気が揺らいでいる。
二年生のくせに今更入部なんておかしいと思われないかな。
演劇なんて少しも知らないくせに、突然入部したいと言ったら怪しまれないだろうか。そんな思考が頭の上をぐるぐると回り、私を困らせる。
目指す場所はすぐそこにある。ちょっと進んで、入部したい、と一言伝えればすむことだ。たったそれだけ。幼稚園児だってできる。たったそれだけ。自立二足歩行ロボットだってできる。たったそれだけ……。
大きく息を吸い、深くそれを吐き出す。
よし。わたしはできる子だ!

→解説


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from F.Y.A.E./review ver. on 火曜, 2006/08/08 - 23:56

真帆が可愛くて萌え死にそうです。でも眼鏡はかけていたほうがもっと可愛いよ。

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