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サキちゃんと天然さん

タイトル:サキちゃんと天然さん(小説:ガガガ文庫)
作者  :くがぼんちょう:陸凡鳥
絵師  : 連
デザイン:?
編集  :?

これはなんともまあ風変わりな物語が……。
間違いなく唯一無二の独自性を持ってます。

ジョーカーと呼ばれる講談師たちが1vs1でタイマントークバトルを繰り広げる、トークバトルコメディ!
よく、物語の本筋そっちのけで掛け合いトークが熱い作品がありますよね?
これは完全に逆転の発想で、すべらない話そのものを物語の中心にしてしまいました。だからもう後は出てくる小話が心の琴線に触れるかどうかだけ!

ジョーカーのチャトラ小蘭に弟子入りしようと無一文で押しかけてきた少女サキ。
いろいろあって弟子入りこそできなかったが、やっかいになることになり一人前のジョーカーを目指してがんばる……というのが一応の筋書き。
サキは割と周りの空気など無視して暴走を繰り返しますが、なにせ笑いこそ至上として組み立てられた物語だけに、そんな細かい話の筋はどうでもいいのです!
骨格としては、ターン制の「すべらない話」でタイマントークバトルをするという構造になってます。(もっとも扱う話は基本創作なわけですが)
掛け合いトークで暴走するコメディは数あれど、小話の応酬をするのはこの作品だけ。
これはぜひ続刊もがんばってほしいところですが、果たして……。

それにしても最近ガガガ文庫は、もう完全に既存のラノベレーベルとは一歩距離を置いた独自路線を確立した感がありますね。どうしてもニッチな路線に行きがちなので、「これだしてほんとに大丈夫なのか?」といった類の心配は尽きませんが、個人的には歓迎したいところ。


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