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白山さんと黒い鞄 3

タイトル:白山さんと黒い鞄 3(小説:電撃文庫)
作者  :すずきすず:鈴木鈴
絵師  :ここのか
デザイン:?
編集  :?

ストーリー自体は現代学園伝奇ですが、かなり貴重な、内気で押しの弱い健気なヒロインが頑張っているのでぜひとも応援したい!

最近のラノベは少女小説も含めて圧倒的に”強い”女性キャラが人気で、たまにおとなしいヒロインがいるかと思うとそれはほぼ無表情系。健気で引っ込み思案なヒロインは絶滅危惧種として保護しなければ!
というか、ツンデレばかり見慣れたせいもあってか白山さんのような、泣きそうな顔をしながら必死に何かに耐えるヒロインはかなり心臓にきゅんきゅんきますね。

白山さんがいつも肌身離さず持っている黒く大きな鞄は、持ち主が望めばこの世のあらゆるものを取り出すことが出来、さらにこの世とは別の世界『嚢界』(ノーガ)を内包する鞄。そして『嚢界』から逃げ出した怪物が起こす出来事によって、、白山さんは翻弄されている……。

細かいことを無視して突っ走る元気キャラは、白山さんを守護する九衛が担当し、白山さんはもっぱらバックアップ的役割。引っ込み思案で打たれ弱くて、思ったこともなかなか言えないような性格ですが、それゆえに必死の想いで絞り出す言葉のひとつひとつがかなり重いんですよね。
思えば作者の人はそういうタイプのキャラが得意なのかも。レレナとかね。

3巻で出てくるキャラも、白山さんと似たようなタイプだけに心臓がきゅんきゅんしすぎてやばいです。こういう感覚は久しぶりだなあ。


この作品の名台詞

「――九衛は、負け犬が嫌いだ」
「自分で自分を助けることを諦めてしまったヤツに、手を差し伸べる必要なんてないと思っている。そんなヤツは、一生めそめそしながら這い蹲っていればいいんだ」
「…………」
「でも――シロさまは、お優しいから、そんなヤツにも、手を差し伸べずにはいられないんだ。九衛は、そんなシロさまが大好きだから、だからおまえのことも助けてやる。シロさまが、そうお望みなら、不本意でも、手は貸すさ」
「だが――それは、シロさまのためだ。おまえのような負け犬のためではない。そのことを、覚えていろ」

→解説


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from 愛があるから辛口批評! on 火曜, 2009/11/24 - 19:52

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