名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

死神姫の再婚

タイトル:死神姫の再婚(小説:B's-LOG文庫)
作者  :おのがみめいや:小野上明夜
絵師  :岸田メル
デザイン:?
編集  :?

twitterとかで人に勧められているのがなんか琴線に触れて買ってみたらおもしろかった!
1巻は2007年9月に出ていて、既に7巻まで刊行中の人気シリーズ、らしいです。最近少女小説のアンテナが低くなってまして……

没落した名門貴族の娘・アリシア。
一度は名門の名前欲しい貴族の元に嫁いだんですが婚礼の席でいきなり新郎が殺害されて未亡人に!
かくて出戻りとなった上に、一部では夫を殺した「死神姫」という噂が立ってしまいます。
そんなアリシアに1年後、再婚の話が持ち込まれたんですが今度の相手は金はあるけど新興の貴族。
家柄ほしさに夫婦になったと、アリシアに公言するような旦那で、悪趣味極まる陰気な館に住んでいてしかも既にメイドの愛人がいて……

これがコメディなんですよ、想像つかないでしょうけど!

とにかくアリシアのキャラが圧倒的。
何事にも動じない天然なのか自然体なのかよくわからない娘で、時々ひどく現実的。
だけど万事のほほんとしてて、殺伐さはどこにもない。でも、一切物怖じしないしためらうということを知らないので、いざというときの行動力は侮れない。
旦那に愛人がいても気にしない、そのうえ怪奇趣味があるので誰もが恐がりそうな陰気な屋敷の雰囲気にも全く動じないと、「お前はいったいなんなのだ」というお人です。
あまりに個性的すぎるので、旦那はおろか他のどんなきっつい人物でさえも毒気を抜かれてしまうという有様です。

で、気が付くと露悪的な旦那・カシュヴァーンをはじめとする男衆はもちろん、最初「死神姫」の名前を恐れて近寄らなかった使用人や、果ては「愛人」のローラまでもがすっかりペースに巻き込まれている有様。
コメディベースなんだけど、アリシアはけっこうハードな局面にでも平気な顔で対応してるのがまたいいですね。

まあ、でも……これは設定の時点で既に勝ってますね!
特に、少年系のラノベでは未亡人とか再婚という設定自体がほとんどタブーみたいな扱いになってる感があって、まずお目にかかれないのでそういう意味でも新鮮でした。


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