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第12回角川学園小説大賞＜大賞＞受賞作。
なんとイラストも作者自身が描いてます。そんな変わり種作品ですが……

お岩さんや花子さんが出てくるというから、てっきりゆる系かラブコメか、もしくは退魔ものだとばっかり思っていたら……
これがなんとあーた、レースアクションですよ！
しかも、ただのイロモノというわけじゃない。キャラも見事に立ってる。いやはや、これはいい意味で予想外でした。伊達に大賞獲ったわけじゃないですね。

幽霊などの人ではない怪異が見える素質のある少年・は、心霊研究部の行う幽霊による勧誘に反応してしまったことでその素質がばれ、策略にかかって（笑）心霊研究部に入部することに。
その部活内容というのは、人が操縦役、幽霊や妖怪がエンジン、謎のババアを車体としたレース。もともと怪異同士の諍いの決着をつけるためのもので、プロまで存在する競技なのだ！

花子さんやお岩さんが出てくるだけに、多少しんみりさせる部分もありますが、全体としてはひたすらパワーを感じる作品です。たぶんババアに乗ってレース、という妙な発想はターボババアとかの都市伝説がモチーフなんでしょうね。相手のババアを術によって邪魔したり、駆け引きもあり、なかなか熱いです。

しかしまあ、よくもまあこんな変な物語を考えたもんですね……脱帽です。

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