名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

漂う書庫のヴェルテ・テラ

タイトル:漂う書庫のヴェルテ・テラ(小説:富士見ファンタジア文庫)
作者  :かわぐちつかさ:川口士
絵師  :雛祭桃子
デザイン:?
編集  :?

この作品の主人公は素敵にビブリオマニアです。
本を読むことに至上の喜びを感じる人なら、これは読んでほしい! 読書狂って圧倒的に現代が舞台の場合が多いんで、ファンタジー世界でのビブリオマニアというのもまた琴線に触れるものが……

本が、貴族諸侯にしか手が届かないような貴重品である世界。聖堂による、自らの信仰の邪魔となる本が次々焚書されている時代。外法星導師ジグウォルと『万巻の書』と呼ばれる謎の少女レジィナは、まだ読んだことのない本を探し求めるという共通目的で行動を共にしている。
ある日、女王からの命で、悪徳領主を星導術によって捕縛したジグウォルは、幼馴染みだが聖堂の騎士となって今は敵対している少女・リシェルと遭遇してしまい……。

星導術によるアクションで爽快感はきっちり確保されています。一方で、ジグウォルの本への偏愛っぷりの描写もすばらしいですね。本を目の前にすると、目の輝きが変わり、本を読んでいる間はご飯を食べる時間さえ惜しいという、そんなシーンを見ていると思わずニヤニヤしてしまいます。
焚書する神官を我慢できずにボコったり、いいぞもっとやれ!みたいな。
作品の端々から本への愛が感じ取れます。

リシェルのツンデレっぷりも新鮮ですね。
行動そのものはツンデレなんだけど、普段は諸事情により筆談しかできないので、ジグウォルを冷たくあしらう台詞にも独特の雰囲気が漂ってます。そのシーンを創造すると……あああああこれは萌えるかも(笑)


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