名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ラプンツェルの翼 3

タイトル:ラプンツェルの翼 3(小説:電撃文庫)
作者  :どばししんじろう:土橋真二郎
絵師  :うえだきく:上田キク
デザイン:?
編集  :?

相変わらず黒いながらも、すっかり白さも板についてきました。というわけで……
このラプンツェルの翼シリーズは、土橋真二郎のゲーム小説入門編としては非常におすすめ。

突然見ず知らずの女性から押しつけられたトランクの中に入っていた少女・奈々。
遼一が、奈々と目的もわからないまま生き残りをかけたゲームに挑んだのが事のはじまり。
そのゲームではなんとか生き残った二人。

しかし今度は、奈々が天使になるための研修先・ユーロランドに遼一が遊びに行ったところ、そこで事件が!

土橋作品のデビュー作を知っている人間としては、考えられないくらい主人公や奈々はまともな性格してます。
デビュー作と来たら、登場人物は全員性根ねじくれてましたしね!
天使は基本的に、明らかに人間なんて消耗品ぐらいにしか思ってない節がありますが、奈々や、ジェシカ達はすごくまとも。
そして遼一と奈々のパートナーとしての関係がじわじわと進展してるのがわかってこれに胸キュンします。進展といっても亀のような歩みですが、この二人にはそれがお似合いだと思うわけで。
たぶんお互い自覚はないけど、シチュエーションだけ見るとはっきり恋に落ちてます。素晴らしい。

と、このような心の潤いがあるものの、実に底意地の悪い生き残りゲームはやっぱり健在。もっとも今回、そんなむちゃくちゃ意地の悪いゲームはなかったよなあ……と思って最後まで読み進めると……前言撤回、なんて意地の悪い作品なんだ……。
あと、あいかわらずあとがきのクオリティが異常でした。


この作品の名台詞

「さっきのビンタを返しとく。とっても心に響くのをもらったから、今度は私が心を込めたやつをあげたの」
「……あんた、なに勝手なこと言ってんのよ」
「仲直りの握手代わりよ」

→解説


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