名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「でででででで、でもっ。相談したら、心葉先輩にご迷惑が――」
「迷惑なんて、そんなの日坂さんには、もう山ほどかけられているっ。きみの存在自体が、すでに大迷惑だ! 今さらひとつふたつ増えたって変わらない。なのに、あんな毎日毎日、脳天気な顔で部室へ来て、どうでもいいことを延々しゃべっているくせに、肝心なことは言わないなんて。きみのたった一人の先輩としての、ぼくの立場がないだろう!
ぼくは……なにも、見逃したくない……。
気が付かないふりも、関係ないと目をそらすことも、もうしないって誓ったんだ。真実を見つけることのできる人間になるって」


タイトル:“文学少女”見習いの、初戀。(小説:ファミ通文庫)
作者  :のむらみづき:野村美月
絵師  :竹岡美穂
デザイン:?
編集  :?
キャラ :日坂菜乃 (187 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

文学少女の新刊は、最終巻で語られなかった空白の数年間にあたる遠子先輩卒業後の心葉くんの周辺を描きます。
なんと、文芸部に新入生が。しかも、心葉に恋する女の子です。

それでは台詞解説。
自分が目当てで入部してきて、そのうえさんざん周りを引っかき回された菜乃に迷惑なそうな態度を隠さなかった心葉ですが、困った事態になっているのを相談しなかった菜乃を怒ります。
この辺り、昔はあんなに他人に無関心だった心葉が、遠子先輩からいい影響を受けた結果なんだよなあ、と感慨深いものがありますね。