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ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!

タイトル:ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!(小説:ファミ通文庫)
作者  :たおのりたけ:田尾典丈
絵師  :ありかわさとる:有河サトル
デザイン:?
編集  :?

予想外におもしろかったです。
主人公がいたずらとしか思えない変なメールに返信したところ、世界が改変され、台詞や些細な選択肢もすべて覚えているほどのめり込んだギャルゲ「エターナルイノセンス」のキャラ達が現実の存在に!
ご都合主義と現実のすりあわせをしているのがポイントです。あるヒロインのシナリオだと他のヒロインが出てこないが、現実的にはありえないんじゃないか?という、描写されていない部分の齟齬の書かれ方が上手いですね。

例えば現実の学校では、いくらアイドル的な存在の女子がいたとしてもまずファンクラブなどなく、ましてや生徒の多くが入っているとかありえません。もし仮にあったとしたら、現実世界ではどうなるか?
あるキャラと過ごしているとき、眼中になかった他のきゃらはどうしているのか? そういう誰もが一度は考えた疑問を見事に形にしています。
病弱少女のイベントは、「なるほどそんな手が!」と両手を挙げて降参。
複数キャラのイベントの同時進行に関しても、ある特定のキャラを構っている間にも他のキャラはちゃんと生活しているわけで、こうなるでしょうね。
そして、作中の展開はさらに意表をついてきます。すっかり騙されてました!

ギャルゲーマーには特におすすめ。
ゲーマーでなくてももちろんおすすめ。


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from monumenta librorum on 日曜, 2009/03/01 - 19:55

えんため大賞の優秀賞受賞作。ギャルゲーの世界が現実化したらどうなるかという話。同時攻略は可能なのか、あるいは矛盾が生じないかとか、さらには安易な泣きゲー批判とか、この手...