名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「世界には二億人も人がいるんだよ、サクラ。
いろんな立場の人がいて、いろんな考えを持ってる人がいる。そういう人達がみんな魔法士の事が好きで、世界中で殺される魔法士の事を心配してくれるって、そっちの方が何かおかしいと思わない?」
「それは――」
「そ、それはそうかも知れないが……だがしかし!」
「それでも許せない物は許せない。
じゃあどうする? あの人を殺す? 世界中を探して魔法士を嫌ってる人を片っ端から殺して、サクラ達に優しい人だけの住みやすい世界にする?」
「な……
馬鹿な……私は、そんな事は……」
「なら、上手くやっていくしかないね。
焦りは禁物だよ。むしろ良い機会だと思わなきゃ。僕等はここに外交をしに来たんだから」
「外交……?」
「そう、外交。
外交っていうのはね、自分が嫌いな相手とお互いに嫌い合ったまま協力するための手段なんだ。利害関係はそのための武器。『相手は自分の味方じゃないけど協力してくれるんだからかまわない』って認めるのが、第一歩かな?」
「我々の主張を世界に通すためには、我々の理念に何の価値も見出さない者とも協力しなければならない――そういう事か?」
「うん、そう」


タイトル:ウィザーズ・ブレイン 7上(小説:電撃文庫)
作者  :さえぐされいいち:三枝零一
絵師  :純珪一
デザイン:?
編集  :?
キャラ :天樹真昼&サクラ (109 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

作品紹介は省略。

それでは台詞解説。
魔法士の権利のために賢人会議の代表として戦っている魔法士サクラ。愚直なまでにまっすぐなサクラの態度を真昼はたぶん好意を持って受け止めているはずですが、それと同時に現実も見なければいけない、と諭します。