名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

幻想譚グリモアリスI されど魔刃の名のままに

タイトル:幻想譚グリモアリスI されど魔刃の名のままに(小説:富士見ファンタジア文庫)
作者  :かいとうれいじ:海冬レイジ
絵師  :松竜
デザイン:?
編集  :?

罪を犯したにもかかわらず人間界では裁かれなかった罪人を、周囲に焼き付いた過去の残滓”フラグメント”をのぞき見てその罪を表沙汰にし、断罪する人ならざる者・グリモアリス。
過去を見て誰が罪を犯したか調べ追い詰めていくミステリ風アクションです。強気のお姫様アコニットの雷撃は健在。
未読者でも問題なくシリーズに入り込めるよう構成が工夫してあります。
が。
ラストの展開での感情移入度が全然違ってくるので、できれば富士ミス版をぜひ確保していただきたいところ。(レーベルが存続しているうちに!)

この程度ではネタバレにならないと思うんで言ってしまうと、新規読者とのすりあわせのために、「誓護が記憶を失っている」という状況を用意してます。なるほど、上手いやり方ですね。
なので新規参入でも問題はないですが……そもそも、プライドが高く人間嫌いで誓護のことなどまともに相手をしていなかったアコニットと、人間不信の誓護が、徐々に信頼関係を築いていった過程が非常に大事なので、それを知っていると知っていないとではラストの台詞の重みがかなり違ってくるんですよね。
3巻を経た後で読むと、ああ二人の仲も進展したものだなあという感慨に浸ることが出来ます。

……で、全くあらすじに触れてないですね……まあいいか(ヲイ


作品一覧


トラックバック

http://maijar.jp/?q=trackback/2661