名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

2007年ライトノベル10大ニュース

今年はなにげに多忙なこともあって、10大ニュースはさぼろうと思っていたんですが……。
先にni-toさんが記憶があやふやになりつつも書く、ライトノベル今年の十大ニュースというまとまった10大ニュースを作ったというのに、こちらにもネタ振りされてしまったんで、記事を書いてみる事にします。
大部分はさっきの記事と重なると思うんで、あまり意味はないかもですよ?


1.ガガガ文庫、ルルル文庫創刊

ライトノベル業界で今年絶対に外せないニュースはやはりこれ。なにしろ天下の小学館です。一時は業界に激震が走った……んですが。
率直に言って、当面は業界地図に変化はなさそうです。ラインナップを見てみると一目瞭然なのですが、レーベルとしての方向性が迷走中で「カオス」の一言。
出版社に体力があるので、そのうち立て直しを図ってくるとは思いますがしばらく時間がかかりそうです。
なお、参考までにこのレーベルで一冊だけつまみ食いするならば人類は衰退しました。一択で。

2.ソノラマ文庫、歴史に幕

1975年創刊し、今振り返ると現在のライトノベルの礎となったSFとティーンズ小説の架け橋的な存在でした。
SFジャンル自体の衰退や、電撃、富士見ファンタジアといった他のレーベルに押され、9月末にその幕を閉じました。
なお、事業としては朝日新聞社刊の朝日文庫・ソノラマセレクションレーベルに引き継がれるため一部の作品は今後も存続します。
その昔、ライトノベルという言葉がなかった頃、まだソノラマ文庫が緑背の時代から知る者の一人として、栄枯盛衰を感じますね。
敬礼。

3.ライトノベルのアニメ化ラッシュ

水面下での動向も含めると、数年前からその兆候はあったわけですが今年になって動きが加速。
多すぎるので詳細なタイトルは挙げませんが、「涼宮ハルヒの憂鬱」アニメ化の成功は間違いなく影響していそうです。
アニメ化決定しただけで放映は来年以降のものも多いので、来年も引き続きアニメ化関連の動向には注目です。
強いて注目作品を挙げると「灼眼のシャナ二期」(メディアワークスが極めて計画的に多メディア化を推し進めたと思われる)、「図書館戦争」(境界型と呼ばれる作家への注目を高めた)「アリソンとリリア」(電撃の作品がとうとうNHKアニメに食い込んだ)といったところか。

4.ライトノベルの漫画化ラッシュ

アニメ化を睨んでという面もあると思いますが、とにかく漫画化されるライトノベルが増えました。
去年創刊したコミックアライブや、月刊ジャンプの後継者的存在であるジャンプSQなどは明確にライトノベルの漫画化したものの掲載も前提としていて、数年前には想像もつかない状況になってます。

5.刀語12ヶ月連続刊行

これは西尾維新頑張った!という素直な賞賛も込めて。正直絶対途中で延期が入るに違いないと思ってました。
ただし、私自身は「講談社BOX」というぼったくりシステムが嫌いなので未購入。今後も買う予定はありません。
ソフトカバーにして単価を釣り上げるのはまだしも、あの意味のない邪魔なだけのブックカバーが許し難いです。……化物語には屈しましたが。

6.涼宮ハルヒの驚愕、延期延期また延期

ライトノベルの延期そのものは珍しくもない話なのですが、こと涼宮ハルヒの場合は「でっかい商売」が絡んでいる為に延期が大事になってしまい、業界ではさぞ多くの人が泣いた事でしょう。
何度見てもこのイラストは哀愁を誘います。果たして一番罪作りなのは誰なのかわかりませんが、まあ気長に出るのを待ちましょう。

7.TS(性転換)もの、まさかの攻勢

いったいどういう理由か、今までほとんど見た事なかった性転換(Transsexual、略してTS)ものが今年は大フィーバー。
あれです、精神は男なのに体は女の子になってしまった!とかそういうやつ。
去年シリーズがはじまった作品も含めると、ぼくのご主人様!?けんぷファー推定魔法少女AKUMAで少女おと×まほぼくと魔女式アポカリプスと、例外もありますがけっこう売れている様子。
本来かなり狭い需要しかないはずのTSもののいきなりの攻勢っぷりは割と謎です。今年の「このライトノベルがすごい!」で一つのジャンルを形成してたのには笑いました。

追記:リヴァースキスを忘れてました。これもTSものでした。

8.ライトノベルにおけるイラストの重要さの再認識

以前からイラストの影響力についてはアンケートデータや実際の売り上げデータから言われてましたが、今年太宰治の「人間失格」が、カバーを小畑健の表紙絵バージョンに付け替えただけで売れに売れたことで実証されました。
集英社文庫の新装版が6月末の発行以来、約1か月半で7万5千部!!
リンク先の出版年月を見てもらうとわかりますがデータ上は1990年出版。つまり中身は全く変わってません。正真正銘変わったのはカバーだけ。
これはちょっと極端な例としても、表紙絵が売れ行きに与える影響が予想以上なのを知らしめることになりました。

9.GA文庫のポリフォニカシリーズ、19ヶ月連続刊行

?と思われた方もいるでしょう。GA文庫の神曲奏界ポリフォニカシリーズは、榊一郎が設定した世界観を利用したシェアードワールドとして(外伝はのぞく)4人の作家がそれぞれ別のシリーズを刊行し続け、なんと19ヶ月間連続でポリフォニカシリーズが刊行される快挙達成! ちなみに今年の12月は残念ながら出なかったので、11月で記録はストップしました。複数作家によるものとはいえすごいですね。
そしてこんな出版ペースに付き合い続けた自分にも拍手を送りたいと思います。>そんなに買ってたんかい!

10.ZIGZAGノベルス、死亡

これは本体であるリーフ出版のBL部門の不採算が原因によるもので、ZIGZAGノベルス自体は果たして採算が取れていたのかどうか今となっては知るよしがないですが……。
なお、同様にレーベルそのものではなく某外的要因でカノン文庫も創刊前に立ち消えになってます。ライトノベル雑誌のエールなんてものもありましたねそういえば。




とまあこんなところでしょうか。
電撃文庫Magazineの創刊などもそれなりのニュースなんですが迷った末に外しました。
ああ、そういえば光栄や一迅社もライトノベルに参戦するんでしたっけ……このあたりは来年お手並み拝見という事で。

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