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幽霊列車とこんぺい糖 メモリー・オブ・リガヤ

タイトル:幽霊列車とこんぺい糖 メモリー・オブ・リガヤ(小説:富士見ミステリー文庫)
作者  :このうたえい:木ノ歌詠
絵師  :尾崎弘宜
デザイン:?
編集  :?

読んでる最中に思ったことは、
「あ、これ砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」と雰囲気が似てるな、でした。
あれが好きな人にはぜひおすすめしたいです。

私だけじゃなくて、どうやら玲朧月さんもおなじことを考えたみたいですね。

冒頭いきなり、少女が死に損ねるところから話がスタートしてドキッとさせられ、これでハートを持っていかれました。
あとはもう物語に引き込まれてラストまで一直線です。
透明感のある、どこか現実離れした部分のあるエピソード、死との向き合い、そして二人の少女の結末。
あえてほとんど物語そのものには踏み込んでませんので、ぜひ実際に読んで結末を確かめてください。


この作品の名台詞

あたしはホームの縁で足を止めた。何もかもが色褪せて見えた。もう二度と、その上を電車が通過することのないレールを、呆然と眺めやった。何てこった。あたしは遅すぎた。世界はあたしの思惑なんてお構いなしに、猛烈なスピードで過ぎ去っていく。それはもう、残酷なまでに。
あたしは今日、このホームから転落する予定だった。
なのに、あたしを轢き殺してくれるはずだった電車のほうが、先に命日を迎えてしまうなんて。家を出る直前、そういや飛び降りの場合は靴を脱ぐ人が多いけど、飛び込みのときも靴は脱いだ方がいいのかな……とか考えていた自分が、本当に愚かな小動物に思えた。
ずるい。反則だ。死ね。何もかも死んでしまえ。死に絶えてしまえ。

→解説


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from monumenta librorum on 日曜, 2007/11/04 - 00:41

飛び込み自殺をしようと駅にやって来たら、廃線になって、困っていた中学生の少女が、変な女子高生と出会ってという話。話は、非常にきっちりとまとまっていて、ある意味では、過...