名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

地を駆ける虹

タイトル:地を駆ける虹(小説:MF文庫J)
作者  :なないれんいち:七位連一
絵師  :光崎瑠衣
デザイン:?
編集  :?

なんという中二病ファンタジー!>褒め言葉
ものすごく簡潔に言うと、現実が直視できていない主人公が、とうとうその代償として絶望を背負うことになるファンタジーです。
読めば読むほど、割と洒落にならない痛々しさですが、だがそれがいい!!
いやー、表紙絵見た段階では正統派、もしくはコメディ色のやや強いファンタジーだと思い込んでいたのですっかり騙されました。

主人公の少年は、貧乏人が成り上がるステップとしてパーティーを組み、その一員になってます。が、ひとりだけエレメントと呼ばれる特殊能力に目覚めていないためにパーティーのお荷物状態で、その他にもいろいろとままならないことが日常茶飯事でいらだつことも多いのですが、「俺はやればいつかは出来る」みたいな根拠ない思いがあったり、かといってそのための努力は何一つしていなかったり、ぶっちゃけ「それなんて中二病?」というしかない状態です。
それが積もり積もって、最終的には重すぎるツケを払わされることになるのですが……これは明るく脳天気な物語を読みたい人にはちょっとおすすめできないレベルに達してますね。
だが、レベルそのものは高いです。
鬱……というか痛い系の話が苦手でさえなければぜひ読んでほしいですええ。
デビュー作でこうなら、ゆくゆくは浅○ラボとか、藤○祐あたりと並び称される作家になるかもしれないなどと期待してしまいますね(笑)。


この作品の名台詞

「ああまでなれとは言わないがな、せめて学ぶ意欲を見せろ」
「お、おれだって、やる気ぐらい――」
「やる気がある奴はすでになにかやっている。お前はなにかしたのか」
「! おっ…………おれは……」
「努力はお前らを生かす。怠惰はお前らを死なせる。お前はどちら寄りだ?」
「…………っ」

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from いつも感想中 on 火曜, 2007/10/02 - 20:28

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