名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「アナタたちはこれだけの力があるのに、なんで何も欲しがらないのかな?世界とか! 言ってしまえば神の座とか! なんで……」
「勘違いしては、いけないの。
わたしたちは、すでに世界を手にしているの」
「「!?」」
「だから、みっともなくそれを欲しがったりしないの。そして、そんなものを欲しがっているような下らないザコに、いちいち構ったりしないの」


タイトル:お・り・が・み 龍の火(小説:スニーカー文庫)
作者  :はやしともあき:林トモアキ
絵師  :2C=がろあ〜
デザイン:LIGHTNING
編集  :?
キャラ :ヴィゼータ&リップルラップル (266 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

お・り・が・み、一見典型的な萌え系の物語に見えますが、さにあらず。
上に表示したのは1巻の表紙なんですが、これ見てる限りではどう見ても萌えに偏った話に思えます。正直に白状しますが、実際1巻読んだ時点で自分はいったん読むの止めました。
その後月日が流れ、玲朧月さんにオフ会であった折りに、「おもしろくなってきた」と言われ、それじゃあと思って続きを読んでみたら……いやはや。
もちろん萌え&コミカルな要素はそのまま残っているんですが、実にすごい展開になってます。あえて要素として列挙しますが

●当初悪の組織に借金のカタに売られて、メイドとしてこき使われていた主人公がなんかいつの間にか魔王候補にして聖女の候補に
●勇者
●魔人
●正義と悪の境界が実に曖昧
●どんどん風呂敷が大きくなっていく
●実は1巻当初からいろいろ伏線が張られていて、5巻とかにいたってそれをきっちり回収していっている。
●油断してるとシリアス要素が入り込む
とまあそんなところでしょうか。
表紙見て、「なんだよメイドかよ! もういいよ!」とか思わずに騙されたと思って読んでみてください。とにかく大風呂敷が好きな方にうってつけの物語です。

それでは本日の台詞解説。
あまりにも強い存在は、小さな事にはいちいち気にしない、というところかな? 権力なんてものはめんどくさいからいらない、と言わんばかりの態度です。