名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

マージナル

タイトル:マージナル(小説:ガガガ文庫)
作者  :かんざきしでん:神崎紫電
絵師  :kyo
デザイン:?
編集  :?

第1回ライトノベル大賞ガガガ文庫部門<大賞>受賞作。サイコ・サスペンスものです。
ジャンルがジャンルだけに、殺伐として病的な内容になりがちなので誰にでもおすすめするには厳しいですが、描写される心理状態などはかなり真に迫っています。
主人公がいつ凶行に走るのか読んでてハラハラしっぱなし。シリアスでサイコな内容が大丈夫ならおすすめ。

アングラサイトの管理人で、拷問や死などに強く惹かれてはいるものの境界線に踏みとどまっている<マージナル>摩弥京也は、サイト上で、つい最近クラスメイトの南雲小百合も犠牲になった連続殺人犯と知り合い、成り行きから犯人と対決することに。そんな渦中、京也は小百合の葬式で小百合の妹・御笠と出会い、御笠にも犯人探しを手伝わせてほしいと言われ……。
とまあ、あらすじだけ書くとごく普通のミステリのように見えます。
が、連続バラバラ殺人事件の犯人の猟奇っぷりはもちろんのこと、なにしろ主人公自身がどうにか犯罪に至ることは踏みとどまっているものの、ふとした折りに御笠を傷つける妄想で頭がいっぱいになってしまったりするやばい有様です。この辺の心理描写が圧巻ですね。
でも、そういう偏執的な感情とは別にまっとうな愛もいつしか芽生えてくるので、いよいよ先行きが不透明になっていきます。最後の方まで話の展開を楽しませていただきました。


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from いつも感想中 on 火曜, 2007/05/29 - 19:03

マージナル 作者: 神崎紫電 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2007/05/24 メディア: 文庫 これは・・・際どい。 もの凄く際どい所にある作品ですね。しかし、楽しんでしまった。最悪な気分...