名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

――気づかないんじゃない。
――知りたくないだけなんだ。


タイトル:“文学少女”と穢名の天使(小説:ファミ通文庫)
作者  :のむらみづき:野村美月
絵師  :竹岡美穂
デザイン:?
編集  :?
キャラ :? (274 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

有名な過去の文学小説と、作品内の事件を絡めた謎を提示したミステリ的な構造を持ちつつ、切なくて時にやりきれない、でもどこか優しい青春模様を描いた物語です。部物語を「食べてしまう」超本好きの”文学少女”な先輩を置くことで、物語に親しみやすくなっています。偏った表現方法や異能バトルなどがないため、読み人を選ばず誰にでもおすすめできる良作ですね。

さて、それでは台詞解説。
割と台詞としては汎用的というか、無意識のうちに本当はわかっていることを、分かっていないフリをして目を背けているんじゃないか? そういう問いかけです。
おもしろいのは、この台詞を単なる否定的な台詞として終わらせるのではなく、クライマックスで逆に肯定的な意味合いのために使っているところですね。これについては、実際に物語を読んで確かめてみてください。