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塔の町、あたしたちの街

タイトル:塔の町、あたしたちの街(小説:ファミ通文庫)
作者  :おうぎさとし:扇智史
絵師  :尾崎弘宜
デザイン:?
編集  :?

これはいい百合ですね。だって真顔で「あいしてる」とか言うんだよ?
女同士の固い友情の行方こそがメインですが、妄想百合の余地がおおいにありますええ。

……などという煽り文句を使ってみましたが、明らかに続く形で終わっているけどよい伝奇ものです。
ストーリー的にはそう突飛な展開ではありませんが、主人公の少女が、周りが自分について大事なことを隠しているのではないかと疑い始め、そしてそれについて徐々に真実へと近づく……その過程での少女とその親友の内面描写が非常に丁寧で、その時々の正や負の感情が手に取るように伝わってきます。
感情の細かい揺れ動きを描写してある物語が好きな人にはおすすめです。
(いま、本が手元にないので名前が思い出せない・・・あとで少し直しておこう)

あと、やることなすことむちゃくちゃで、でも学校内どころかその地元では絶大な権力を持ってる少女も登場するんですが、こういう物事に非情な顔しといて、でも非情になりきれてない人は憎めませんね。
それにしても最近個人的にはファミ通文庫の当たり率がひたすら右肩上がりです。方向性は違うけど、MFと肩並べるくらいの勢いですね。


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from いつも感想中 on 土曜, 2007/05/19 - 02:52

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from monumenta librorum on 土曜, 2007/05/12 - 20:50

巨大な塔の存在する街が舞台の話。設定は、伝奇物。主人公は少女で自らの血に関する陰謀に巻き込まれていくという話。設定などは、この手の物としては割とありがちであるが、スト...