名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

僕僕先生

タイトル:僕僕先生(小説:新潮社)
作者  :にきひでゆき:仁木英之
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

第18回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。
以前おすすめされた時に、割と早い段階でネット書店に注文してあったんですが、売れ行き好調らしく品切れになっていてやっと先日手にすることができました。ちなみに私の手元にあるのは四刷。
(年は経ているはずだけど)外見は美少女仙人と、親が裕福なのであくせく働く必要を感じないいわゆるニート青年の二人によるロードノベルです。
さすがに文章は洗練されてます。舞台が中国でしかも扱ってるのは仙人・道士の世界なためもあってか二人は基本的に流浪するのみで、何かを与えたり失ったりということがあまりない。こののんびり感覚が持ち味ですね。
ちょっと強引ですがあえて言うなら中華版キノの旅というのがもっともわかりやすいかと。

美少女仙人とニート青年という組み合わせで、この駄目青年(笑)が仙人に右に左にいいように振り回されている様は確かにライトノベル的。
お風呂での二人のやりとりとかね!
あーただし萌え絵はありませんからね? 必要のある方は各自脳内で補完してくださいね!

目的がない旅なので、何か明確に辿り着く目標のある話を読みたい人には向いてないかもしれませんが、のんびり物語を消費したい人に。
ああ、それと今までライトノベル一辺倒だった人が本の幅を広げる際のちょうどいい突破口になるかも。これを気に入るようだったら中国小説に手を出してみてはいかがでしょう。


この作品の名台詞

「名乗っておかねばなるまい。姓は僕、名も僕、字はそうだな、野人とでもしておくか」
「僕僕?」
「ボクにとって名前など何の意味もない。目の前にいるキミがボクのことを認識するのに何か特別な名前が必要か?」

→解説


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