名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「賢くなろうとするあまり、あれこれ思い煩って、立ちすくんでしまわないで! あなたを繋ぐ鎖に囚われないで!
未来は明るく素晴らしいと、お目出たい想像をしてみて! 想像がゆきすぎて失敗してしまうことも、惨めな思いや恥ずかしい思いをすることもあるかもしれないし、誤った想像で他人を傷つけることは、もちろんいけないことだわ。けれど間違って転んだら、また立ち上がって、歩き出せばいい!
苦しい思いをしても、それは、あなたが未来に、今、復讐されているだけなのだから、がっかりしないで。どうせ、私たちは愚かなのだから、どんなときも、心に理想をかかげる愚か者であって。失敗を恐れず行動する愚か者であって。
愚かでもいい。あなたはあなたらしく、あなたの声で、あなたの言葉で、あなたの想いを、あなたの真実を、存分に語って! あなたの心で、あなたの行く道を決めて!」


タイトル:“文学少女”と繋がれた愚者(小説:ファミ通文庫)
作者  :のむらみづき:野村美月
絵師  :竹岡美穂
デザイン:?
編集  :?
キャラ :天野遠子 (284 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

新年一発目に阿呆な台詞を紹介するのは気が引けたので、こればっかりは数日前から目星をつけておきました。
”文学少女”遠子先輩からの、心に染みる励ましのメッセージで2007年の幕を開けたいと思います。
物語を文字通り食べてしまう設定と言い、まっすぐでどこまでも前向きで暖かい遠子先輩といい、みんなどこかに傷を負って深く悩んでいる登場人物が自分自身と必死に向き合う様といい、他の文学作品に目を向けるきっかけになるような作りといい、すべてがうまく噛み合った作品です。おすすめです。

それでは台詞解説。
とはいっても、劇中劇の真っ最中に現実にぶつかって、演技を続けられなくなってしまった登場人物への応援メッセージです。……愚か者でありたいものですね。